※この話は実話を基にしたリアルな物語ですが、実在する団体や個人名を伏せるために、至る所に仮名を使っています。
良くない出会い
これは少年Aのリアルなギャングスタストーリーである。
19歳になった少年Aと友人らは、特にやる事や将来の目的などもなく、毎日地元の繫華街を夜な夜なうろついては、何か楽しそうな事や面白い出来事はないかとフラフラしていた。
少年Aは、その日もいつものように友人C氏と首都圏××県の繫華街で遊び、腹が減ったのでファストフードチェーンでハンバーガーを食べながら漫画を読んでいた。
少年Aが店の二階席で食事をしていると、階段から3人の男が上がってくるのが見えた。
どう見ても一般人ではない3人で、その中の一人は地元で有名な悪い先輩で、残り2人は見た事がない顔であった。
するとその3人の男は少年Aと友人Cを取り囲むように座り、「B-BOYだね」「大麻いる?」などと話しかけてくるのであった。
少年Aは「〇〇さんですよね?自分、地元の一応後輩です。」と返すと、リーダー格の男は「あ、俺の事知ってる子だ?」と返答。
友人Cは他の2人の男と大麻の話で盛り上がっていた。
リーダー格の男が「自分らこの街でドラゴンギャングの支部作らせてもらう事になったんだけど、おまえら入らないか」と続ける。
少年Aは少しの間悩んだ素振りを見せたあと、「自分は大人数でつるむのが好きじゃないので、申し訳ないですが断らせて頂きます。」と返答。
するとリーダー格の男は「そっか。まあやりたくなったらいつでも連絡してきてよ。あと、ブツが欲しくなったらでもいいから」と外見と表情とは裏腹に、少し優し気な語り口で続けた。
「押忍。了解しました。」と少年Aが返答したあたりだろうか、先ほどの階段からまた4~5人の男たちが上がってくるのが見えた。
次に階段を上がってきた男らは、全員全身真っ黒の服装で、先ほどの3人よりもより一層良くないオーラをまとった連中だった。
ガタイの良いスキンヘッドの男、身長はやや低めだがプロレスラーのようにがっしりした金髪短髪の男、ブラジルやペルーなどの出身と思わしき男が2人、片方は少年Aの後輩であった。そして長身でスポーツ刈りの目つきの悪い男。
長年アウトロー界隈で生きてきた少年Aにはすぐにわかった。その黒づくめの連中は関わったらめんどくさい事になる連中だと。
すると少年Aの先輩らの3人組が、新たにエントリーしてきた黒づくめの男たちに、「押忍。お疲れ様です」と挨拶をし、「また今度よろしくお願いします」と言い残し階段を下りて行った。
少年Aは思った。「あの有名な先輩が随分と腰低く挨拶していったな。だいぶヤバイ連中って事なのかな。」
すると黒づくめの連中もまた、少年Aらを取り囲むように椅子に腰かけた。
緊張感のある沈黙の中、リーダー格のスキンヘッドの男が口を開いた。
「おまえら明日からブラッドパラダイスのメンバーな。」
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