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【11話】実録|東京ギャング物語 ~危うい結婚~

ネット小説
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著:アンダギーサンダギー

※この話は実話を基にしたリアルな物語ですが、実在する団体や個人名を伏せるために、至る所に仮名を使っています。


前回のエピソードはこちらから

危うい結婚

しばらくラブホテルでの奇妙な暮らしが続き、先の見えないその日暮らしの生活にも慣れ始めた頃だった。

少年Aの彼女「今日仕事行きたくない…。」

少年A「なんだどうした?体調悪いん?」

少年Aの彼女「…違う。もう汚いオッサンとヤりたくない…。」

少年A「…。まあ、俺にゃ想像つかないほど辛い仕事だな。バックレて遊び行くか?」

少年Aの彼女「…。お金ないしホテル追い出されちゃう…。」

高級デリヘルで普通のサラリーマンよりは遥かに稼いでいた彼女たちであったが、稼ぎは日払いのため、金を貰うとすぐに散財してしまうのである。

そのため彼女たちに貯金なんてものは基本的にはほとんどなく、その日暮らしの生活をしている者が多い。

少年Aとその彼女が泊まっている201号室の部屋代は少年Aが払っていたが、隣の202号室に滞在する彼女の実姉とその友達の部屋代は滞納が続き、それを少年Aと彼女で肩代わりしたりしていたのだ。

なぜ部屋代の滞納が起きているのかと言えば、先にも言ったとおり仕事柄、風俗業従事者の暮らしは不安定で危うく、本人の精神状態もそれを取り巻く環境も中々にすさんでいる事が多い。

それもそのはずで少し考えれば解る事であるが、どこの馬の骨かもわからない知らない男性に大事な身体を預けるのである。もちろん店にやってくる客は普通の人間ばかりではなく、日雇い労働で得た金でホームレスの男性がやってくる事もある。

頭のおかしい客もたくさんくるし、望まないドラッグを投与されたりなども日常茶飯事。裏社会の人間も来るし従業員同士のトラブルもあるし、性感染症のリスクだってある。

これで荒まない方が普通じゃないだろう。

そんな疲れた心を癒すために、貰った日銭で美味い酒を飲み、美味い物を食べ、派手に遊ぶのだ。

稼いだお金でホストに狂う者も少なくない。

遊んで毒を流し、明日の戦いに備えねば、正直やっていられない。

束の間の心の平穏のために、彼女たちは逃避にも近い散財を繰り返す。

…というわけで202号室の住人たちは部屋代に払う金が残らなかったのである。

とはいえ隣人として彼女たちが追い出されていくのを見ているわけにはいかないし、ましてや彼女の実姉とその友達で、奇妙な話だが4人で同じベッドに寝たりもする仲なのだ。助けないわけにはいかない。

少年A「ったくシャブ買う金はあんのに、なんでおまえの姉貴は部屋代払わねえんだよ…。」

と妹に毒づいてみてもなにも解決しないし仕方がないのだが、何か文句を言わずにはいられなかった。

少年Aの彼女「ねえ…。今日わたしの時間買ってくれない…?」

少年A「…、それは要するにおまえの店に俺が客として入って、おまえを指名しろって事か?」

少年Aの彼女「…そう。そうすれば給料も貰えるし、一緒にいられるジャン…。だめ…?」

少年A「いやいいけどよ…。ってゆうかそれなら普通に仕事バックレて俺の金で遊べば手数料抜かれないからよっぽど得じゃねえ?」

少年Aの彼女「そうなんだけど、休みすぎて仕事クビになっちゃう…。」

訳は言えないが、少年Aの彼女は色々な繫華街で様々な揉め事を起こしてきて、その度にその繫華街を追放されてきた札付きの悪である。今回のお店をクビになり界隈に良くない噂がまわると、この街でも仕事ができなくなってしまい、また新しい繫華街を求めて違う街へと飛ぶ羽目になってしまうのだ。

少年Aの彼女「ごめんね無理言って…。仕事の準備してくるね…。」

少年A「おい。結婚するか。」

少年Aの彼女「…は?」

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