この記事のポイント
- 脳食いアメーバ
- Naegleria fowleri
- 原発性アメーバ性髄膜脳炎(PAM)
- 症状・治療
- 予防方法・対策
1. 脳食いアメーバ(Naegleria fowleri)とは?
- Naegleria fowleri は、暖かい淡水域(湖沼・温泉・プールなど)に生息する好熱性アメーバの一種。
- 人の鼻腔から侵入し、脳や髄膜を破壊することで 原発性アメーバ性髄膜脳炎(PAM) を引き起こす。
- 世界で数十例の報告しかなく極めて稀だが、発症後の致死率は97%以上と非常に高い。
2. 感染経路
- 淡水の吸入
- 池や川、スパ、自然温泉、ウォータースライダーなどで水が鼻に逆流した際にアメーバが侵入。
- 鼻腔からの直接侵攻
- 口や皮膚からは感染しない。必ず鼻孔を通って脳底部へ到達する。
- 注意すべきシーン
- 暖かい季節の水遊び
- 水の出が強いウォータースポーツ
- 水温が25℃以上のレクリエーション施設
3. 症状の経過と特徴
発症からわずか5〜7日で急速に進行します。
日数 | 主な症状 |
---|---|
1〜2日目 | 激しい頭痛、発熱、吐き気、嘔吐 |
3〜4日目 | 首のこわばり(項部硬直)、意識障害、けいれん |
5〜7日目 | 昏睡状態、呼吸不全、最終的に死亡 |
- 初期は「風邪やインフルエンザ」と似た症状のため、発見が遅れがち。
- 項部硬直や意識障害が現れたら緊急医療が必要。
4. 診断と治療
- 診断方法
- 髄液検査によるアメーバの直接観察
- PCR検査でNaegleria fowleriの遺伝子を検出
- 治療法
- 抗原虫薬(ミルテホシン、アムホテリシンBなど)の投与
- 早期発見・集中的な集中治療が生存率を左右
- ただし治療後も神経後遺症のリスクが高い
5. 予防ガイド
5-1. 水環境での基本対策
- 鼻栓の着用:淡水で遊ぶときは必ず鼻栓を使用。
- 水泳後のケア:遊泳後は鼻をしっかりかみ、水分を排出。
- 安全確認:水温が高く、濁りのある場所は特に危険。
5-2. プール・温泉施設での対策
- 塩素濃度の管理:プールやウォーターパークは適切な塩素消毒が必須。
- 定期的な水質検査:管理者に水質検査の実施状況を確認。
- 施設選びのポイント:公式認可・衛生基準を満たした施設を利用。
5-3. 自宅・アウトドア利用時
- タンク水の加熱・浄水:雨水タンクや井戸水を使用する場合は沸騰または高性能ろ過器で浄化。
- ガーデニング・農作業:ホースの水圧で逆流しないよう注意し、長袖・長ズボン・手袋を着用。
6. まとめ
脳食いアメーバ(Naegleria fowleri) は極めて稀な感染症ですが、発症すると致死率が非常に高いため、淡水での遊びや施設利用時には必ず予防策を徹底しましょう。
- 今すぐできること:鼻栓を準備して、信頼できる施設を選ぶ。
- さらに詳しく知りたい方へ:当サイトの【触れたら死ぬ…】スティルウォーターについて徹底解説しますもご覧ください。
少しの注意で、大切な命と健康を守りましょう!
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